97号 「オリンピック」

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「平昌オリンピック閉幕」

2018年2月25日、過去最高のメダル数を日本チームが獲得し平昌オリンピックが閉幕しました。

沢山の選手の活躍により日本中に多くの感動を与えてくれた17日間でしたが・・なかでも閉幕直前の高木菜那選手の金メダルは高木ファミリーにとっては多くの思いがあるでしょう。

私を含めてほとんどの人は「美帆ちゃんのおねーさん」という目で応援していました。しかし、自分自身の実力と努力の積み重ねでオリンピック女子史上初の一大会2つの金メダル獲得という歴史快挙を成し遂げたのです。

最近の風潮を表すように今回のオリンピックでも女性の活躍が目立ちました。メダル13の内訳は女性8、男性5と僅差ですがその差以上にメディアの注目度は女性の圧倒的勝利です。

スポーツだけではなくビジネス界でも女性の活躍が目立っています。男性陣も今まで以上に頑張らなければ・・と考えさせられました。

「人間万事塞翁が馬」

高木姉妹のオリンピックでのドラマは映像としてニュースでたびたび流され、皆さんが知るところではありますが・・。

人生には良い時も、悪い時もあります。まさに「人間万事塞翁が馬」と思えるようなメダル獲得が今回のオリンピックでもありました。

カーリング女子の吉田知那美選手は4年前のソチオリンピック出場の後すぐにカーリングの名門チーム「北海道銀行」から戦力外通告を受けました。年齢的には平昌を十分狙える22歳の時です。

傷心を癒すために旅行に旅立った吉田選手を熱心に誘い、地元北見に戻って選手生活を続けるよう説得、自身が設立したLS北見への参加をマリリンこと本橋麻里選手が導きました。LS北見への移籍がなければ引退の危機が直前に迫っていたのです。

また、日本にとっても吉田選手がいなければ今回のメダル獲得がなかったでしょう。吉田さん自身も凱旋後の祝賀会で「この町、何もないよね~。小さい頃はここにいたら夢は叶わないんじゃないかと思ってました・・。

でも今は、この町じゃなきゃ夢は叶わなかったと思います」と地元への感謝の言葉を述べていました。
大企業が手厚くサポートするチームと自身が企業に貢献しなければ給料さえ支払われない中小企業での勤務は練習面、メンタル面で大きな違いがあったでしょう。

小平奈緒選手を支えた相澤病院や無名の中小企業の支えで夢が叶うという現実は私たちにとっては大きな励みとなります。

「裏方に感謝」

オリンピックでは自分自身を鼓舞するように「大きな発言」をする人、秘めた「自信を抑えた発言」をする人など性格はそれぞれです。

しかし、メダルを獲得した多くの選手は自身をサポートし支えてくれた無名の裏方さんに感謝の言葉を述べる場面が多々ありました。

企業経営においては社員さんを選手に置き換えて考える事が出来ます。自信過剰の社員、不器用でおとなしい社員、先ほどの吉田選手のように他の会社へ移った方が能力を発揮できる社員さんもいるでしょう。

また、経営者であってもノルマだけかけ社員を怒鳴り散らす人もいるでしょうが多くの経営者は遅い成長を優しく見守り、あるときは育てた社員に転職されるという苦い経験をする事もあります。

そう考えると経営者はまさに裏方さんです。

今回のオリンピックで感じた事はメダルを獲った陰には支えた人がいて、その人たちにカメラの前で素直に感謝の言葉がでるという信頼関係の素晴らしさです。

選手(社員さん)、裏方(経営者)がお互いに信頼しあえるそんな関係が理想なんだな~と感じられるたオリンピックでした。