かわら版:「障子を開けてみよ。外は広いぞ」

「障子を開けてみよ。外は広いぞ」

これは豊田織機の創業者、豊田佐吉氏(以下、敬称略)が息子の喜一郎に贈った言葉です。また、佐吉は喜一郎に「私は自動織機をつくった、お前は自動車をやれ。安くて性能の高い車を製造することが国のためになる」と言いました。この言葉を受け昭和8年に自動車部が設立、トヨタ自動車が誕生したのです。

現在、グループの売上が約18兆円、従業員約32万人、2007年には2兆円を超える利益を計上する企業に成長、ご存じのように世界一車を生産しています。もし、我が国にトヨタ自動車がなかったら、現在のような繁栄が無かったかもしれません。

ノーベル賞を受賞した  山中教授や豊田佐吉のように我が国を変えるきっかけを作った人は数多くいます。たとえば松下幸之助、本田宗一郎、安藤百福(日清食品)等々。

これらの創業者の会社の社訓・企業理念を見ると、産業報国の実を挙(あ)ぐべし(トヨタ)、産業報国の精神(パナソニック)、不断の研究と努力を忘れない(ホンダ)、食が足りて初めて世の中が平和になる(日清食品)など国家や世界といった大きなものに目を向けている事が分かります。

今日本は、電機業界の不振、原発事故等、過去に無いほどの困難な状況にあります。しかし、日本は困難と飛躍が繰り返される歴史を持っています。開国・明治維新、関東大震災、敗戦そして原爆投下、その後の劇的な発展は皆さんもご存じのとおりです。

山中教授は劣等生、松下幸之助は小学校しか出ておらず、本田宗一郎は町のバイク屋さんです。しかし、「強い意志」があったからこそ世界的な業績を残すまでに成長したのです。その「強い意志」とは、国家の繁栄を願う気持ちであったり、世界中の困っている人を助けたいといった思いです。

自社を振り返って見ましょう。純粋な動機で事業を行っているでしょうか?自分のためでしょうか、人のためでしょうか。お金のためでしょうか、使命感のためでしょうか。

もう一度、事業の目的を確認してみましょう。