66号 「繁栄は続かない」

完全版はこちら → 第66号 27年8月号

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』・・懐かしい響きです。1979年にハーバード大学教授のエズラ・ヴォーゲル氏が著書で発表した「これから日本の時代が来る」との予言通りMade in Japanは世界中を席巻しました。
ところが・・21世紀に入ると韓国・中国などの新興勢力の技術力向上や基盤部品の共通化による価格競争が勃発、IT&電化製品の分野で日本企業の輝きは失われました。一方、勝ち組と思われた韓国企業の業績不振が最近話題となっており、まさに栄枯盛衰です。

「リーダーが間違うと」

最近、負け組ではないと思われていた東芝の「不適切会計」問題が大きく取り上げられています。そもそもテレビや新聞の見出しが間違いで「粉飾決算」問題ではないかとの疑問もありますが・・。
この問題が深刻なのは歴代社長がこの件に関与している点です。本来は、部下の業績不振やミスをカバーすべき立場にありながら、リーダーであるトップ自ら業績を良く見せるために「チャレンジ」と称して不正を指示していたとすると自ら組織の根っこを腐らせた事になります。しかしながら、問題発覚のきっかけが内部告発という事なので救われる点もあります。

 

「リーダーが引っ張る」

業績が良ければ自分の手柄・・悪ければ人のせいと考えるのは人間の性です。いじめの校長や東芝の社長に限らずわが身を振り返ると思い当たる節があるのは私だけではないでしょう。
大きな企業では画期的な事業の開拓、新しい商品の開発等々を社員が自主的に行ってくれる事もあるでしょう。しかし、中小企業においてはリーダー自ら社員に率先して行動を示す必要があります。
リーダー(経営者)の責任はメンバー(社員)を叱咤激励しながら上に向かって進んで行く事です。私たち中小企業発でMade in Japanが輝いていた時代を取り戻すきっかけを作りましょう。

続きは・・事務所通信 2015年8月号