65号 「生涯安定の夢の国」

完全版はこちら → 第65号 27年7月号

「生涯安定の夢の国」

ヨーロッパがギリシャ問題で揺れています。

そもそもギリシャが何故そういう状態になったかという点についてはある資料によると以下の原因があると言われています。

  1. 「社会保障給付費」と公務員の「人件費」が歳出の7 割を占め、しかも年金は現役時代と 大差なく55 歳前後から支給される。
  2. 政権交代があるたびに公務員の雇用が増え労働人口の約4 分の1 に相当する。
  3. 脱税や税務署職員の汚職が蔓延しており徴税能力が低下している。

ギリシャに融資しているIMFの専務理事が「ギリシャ人はみんな税金逃れをしようとしている」と発言 しギリシャ国民から大きな反発を買っていますが「労働世代の多くが公務員で彼らは55 歳で現役引退、しかも給料と同じ金額が年金で貰え、さらに税務署員に相談すると税金を払わない方法を教えてくれる」・・これで国が持つはずがありません。

「夢の続き」

EUはこのままでは駄目だ「公務員の給与と年金を減らし、付加価値税(消費税)を増やし、法人 税を減らし、年金支給額の削減等、国民の負担を増やすべき」と主張します。

一方、ギリシャは大きなお世話です「国民が犠牲になる必要はありません。今後、国内消費が増えるので付加価値税を値上げしなくても増収となり、国内の企業に追加課税すると共に社会保険をもっと負担させる」ので大丈夫と如何にも大衆迎合政策で楽観的です。

「反面教師として」

私たちは仕事柄、企業が破綻する瞬間を見る事が多々あります。それらの企業の経営者に共通す
る点は現状の問題点を指摘し経費の削減をアドバイスすると「仕方ないでしょう~」と言葉を返し、問
題を改善する意思を感じません。

破たんする企業の経営者は心が優しいのか、優柔不断なのか分かりませんが資金繰りに困ってい
るのに余剰人員を抱え、社交団体やゴルフ・飲み会等の浪費を止めません。この点はギリシャの指導者や国民と同様です。

混乱の時代を生き残る経営者になるためには、自分に厳しく、現実逃避せず数々の問題に悩み、常に解
決・改善策を考える。業績が良くても、悪くてもそれが経営者の使命であり、宿命なのでは・・。