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79号 「五輪と年輪」

日付: 2016年09月01日  カテゴリー: 事務所通信

 完全版はこちら → 第79号 28年9号

「リオ五輪」

リオ五輪が8月21日に閉幕しました。ご存じの通り、日本は史上最多となる、金12、銀8、銅21の合計41個のメダルを獲得、次回の東京オリンピックへの期待が高まります。

個別の競技を振返ると、前回のロンドン大会で金メダルがゼロだった柔道男子は全階級でメダルを獲得、レスリング女子の伊調選手は史上初の4連覇、吉田選手も4大会連続のメダル獲得など選手の長年の努力が結果として現れたのでしょう。

数多く感動のドラマを生んだ五輪ですが、私たちが注目すべきは、前回参加を逃し、引退の危機を乗り越え競泳女子200メートル平泳ぎで最年長(五輪日本競泳女子)で金メダルを獲得した金藤選手(27歳11か月)です。

この競技は1992年のバルセロナ大会で最年少で金メダルを獲得した岩崎恭子選手(当時14歳6日)以来24年ぶりの快挙です。

未来を信じ努力を年輪のように積み重ねる事の大切さを教えてくれたリオ五輪でした。

「年輪経営」

『五輪』のニュースの後に『年輪経営』で語呂合わせのようですが・・。
ご存じの方も多いと思いますが当事務所では小樽商科大学の准教授をお招きし経営者向けの勉強会を開催しております(注1)。

前回の研究会では世界一のトヨタ自動車を率いる「豊田章男」社長の経営戦略を学びました。内容はさておいて ・・ 豊田氏は2013年以後「年輪を刻んでいく」経営を提唱されています。その豊田氏の愛読書がこの『年輪経営(堀塚寛著)光文社』(注2)なのです。

(注)
1.興味を持たれた方は自由参加の研究会ですので事務所にお問い合わせ下さい。
2.定価は税別580円と手ごろなので是非、一度お読みいただきたい本です。

 

会社が「本来あるべき姿」

本書は冒頭から・・会社の本来あるべき姿とは「社員を幸せにするような会社をつくり、それを通じて社会に貢献」すること・・と衝撃的です。

「理想論だ・・」とか、様々な意見を持つ方もおありでしょうが・・年商180億円とトヨタの孫会社よりも小さな規模の堀塚氏が経営する伊那食品工業をトヨタをはじめ上場企業の経営者が数多く訪れて学んでいる事は事実です。

 

堀塚氏の著書の見出しを抜粋すると・・

  • ・会社は社員を幸せにするためにある
    ・経営とは「遠きをはかること」
    ・急成長は敵、目指すは「年輪経営」
    ・社員が「前より幸せになった」と実感できる事が成長
    ・人の犠牲の上にたった利益は、利益ではない
    ・人件費はコストではなく、会社の目的そのもの
    ・最大の効率化は幸せ感が生み出すモチベーション
    ・安いからといって、仕入先を変えない 等々・・

 

・・ と一般的な企業経営と異なりますが、伊那食品工業は48年以上、増収増益を続けています。

詳細は著書でご確認下さい。私が共鳴した部分は2つあります。

ひとつは、「人を大切にする会社」を目指すべきという事。先月の事務所通信では「会社」と「組織」の違い、組織の主役は「人」であることを説明しました。組織の力を最大限、発揮させるためには人のやる気が不可欠です。

先日、ある経営者が集まった会議で中小企業の求人状況の説明がありました。新卒者の採用は難しい、中途採用では良い人材が来ない・・ではどうすれば良いか・・答えは「社員さんが辞めない会社を目指す」という事でした。

 

堀塚さんが提唱するように「人を大切にする会社」は時代を先取りした考えのようです。

 「遠きをはかる経営」

もうひとつの注目点は、伊那食品工業の経営の根幹にある二宮尊徳の考えです。堀塚氏は以下の二宮尊徳の言葉を常々語っています。

 

  • 遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す。
    それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。
    まして春まきて秋実る物においてをや。故に富有なり。
    近くをはかる者は春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
    唯眼前の利に迷うてまかずして取り
    植えずして刈り取る事のみ眼につく。 故に貧窮す。

 

実際、経営者としては目の前の利益は当然大切です。しかし、五輪では最短でも4年先を目指すように、企業であっても未来への種まき「遠きをはかる経営」が必要なのでしょう・・。

 

「年輪」を積み重ね成長する企業を目指したいですね!