95号 「犬も歩けば棒に当たる」

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新年 明けましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。

本年も宜しくお願いいたします。

今年は戌年です。ことわざに「犬も歩けば棒に当たる」というものがあります。

『岩波ことわざ辞典』(2000年 岩波書店)によると・・

  • (1)何かをやっていれば意外な幸運に出会うこと。
    (2)何か行動すると災難に遭遇すること。

・・と、まったく正反対な意味で使う事があるようですが「幸運」に出会う方が良いに決まっています。

さて、話は今年のキーワードに移ります。ずばり、2018年のキーワードは「値上げ」と予想します。

値上げと聞いたらほとんどの人は「ピンチ」と考えるでしょう。

しかし「犬も歩けば~」のことわざではありませんが物事には二つの側面や捉え方があります。

事業を行っていると「好景気」、「不景気」いずれの場面にもピンチが訪れます。

どうせ右往左往するなら「値上げ=チャンス」と考えた方が気持ちが明るくなります。

2018年は前向きな行動で「犬も歩けば棒に当たる」年にしませんか?。勿論、「幸運」に出会うためですよ・・。

「続々値上げ」

ある新聞の12月30日付けの記事に「1月1日よりドイツ車4ブランドが一斉に値上げ」と書かれていました。

私たちにはほとんど影響がないと感じるでしょうが・・「すき家」などの外食産業、国内大手ビールメーカー、ゆうパック、冷凍食品、アイス、家庭用小麦粉等が相次いで値上げすると聞いたらどう感じますか? 今、モノの値上げが進行中なのです。

今回の値上げは、原料の値上がり、燃料の高騰による輸送コストの増加があります。

しかし、もっとも深刻な原因は「人手不足」による人件費増です。なにしろ少子高齢化が改善されないのですから少ない人員の奪い合いは続き、今後、更なる人件費アップは避けられません。

 

IT・Ai(ハイテク・人口知能)が救世主?

ある低価格を売り物にする「回転すし店」での出来事です。

自分自身で受付画面にタッチ、出た番号札で指定された席に向かい、タッチパネルで注文すると、機械が目の前に商品を運んでくれ、食べ終え会計ボタンを押し、お金を払うときだけ人と会話しました。

理論上、会計の人も不要なので入店から出店まで人の顔を見なくても(もちろん料理は人が作ります)OKです。

また、最近のスーパーやホームセンターでは自分自身でバーコードを当て精算する場面も増えました。

このように少しずつですが人手不足対策と「低価格」維持のためにIT・Aiに人間が合わせさせられる仕組みが浸透しています。

 

「値上げ」の根拠

低価格を維持するためにIT・Ai活用は不可欠な事はご理解頂けたらと思います。しかし、今月の本題は「値上げ=チャンス」のお話しです。

ヒントは「低価格」戦略の逆が値上げを認めてもらう根拠になるという事です。

誤解が無いように付け加えますと、IT・Aiを導入する事は当たり前で企業が生き残るための最低条件です。

つまり、単純作業は得意なもの(IT・Ai)に任せ、お客様の求める付加価値(知的作業、親切・丁寧・礼儀など)、人間にしか出来ない部分で「値上げせざるを得ない事情があるな」と納得して頂き、この人だから・・この人がいるから価値があると認めてもらうのです。

結局、人財が重要です。

発想を変えると若干の「値上げ」で失うお客様がいたとしたら、もともと貴社のフアンではないので彼らは価格以外の要素でいずれ離れていく人たちです。

 

経営者を強くするもの・・

面白い記事を目にしたのでご紹介します。経営者を弱くするものが2つあります。それは「安売り」と「補助金」です。一方、経営者を強くするものも2つあります。「値上げ」と「借金」だそうです。

後者に立った経営者は「値上げをする」と決断した場合にはなんとか正当性を認めてもらう努力をします。

「お客様が不満を持つ要素がないか」、「宣伝方法をもっと工夫しなければ」「商品に高級感を持たせるためのデザイン、包装紙はどんなものか」など現状を変え品質を高めるよう考えます。

また、借金も同様で毎月返済のプレッシャーを脱出したいと増収増益を常に考え方策を練ります。

結果として頭の中は悩み事ばっかりといった状況に追い込まれますが・・否応なく経営能力は鍛えられます。

外的要因である原料や燃料、人件費の高騰のなか現状の価格を維持することは会社の体力を奪い、疲弊を招くだけです。

便乗値上げではなく、生き残るための値上げは必要です、お考え下さい。