96号 「正月早々・・」

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「前代未聞の盗難事件」

2018年1月26日、コインチェック社(仮想通貨取引所運営)が顧客からの委託で管理していた仮想通貨のうちNEM(ネム)日本円で580億円相当が消失しました。

専門家の分析によるとおおよそ20分程度の間にほとんどが送金されたようで、同社が気づいたのは数時間後でした。

ハッキングに対する経営陣のセキリィティ対策への認識の甘さに批判が集まっています。

社長の和田晃一良社長(27)は時代の寵児として話題を集めていましたが一夜にして評価が一変です。

一方、意外な人に飛び火です。最近、売れっ子芸能人の地位を確立し、コインチェックの“顔”としてCMに出演していた出川哲朗さんにネット上で「出川が悪い」といった声が広がり、芸人としての風評被害を心配する声が上がっています。

和田さん、出口さん共に「飛ぶ鳥を落とす勢い」で活躍されておりましたが・・飛ぶ鳥ならぬ自分自身が落ちてしまいそうな仮想通貨盗難事件で「一寸先は闇」と言う言葉が頭に浮かぶます・・。

「危機管理」

1月末に息子の引っ越し準備で東京に行ってきました。数日前に首都圏に降った雪が道路沿いに積まれ、日中のマイナス気温と合わせ札幌駅前と見間違いそうな景色でした。

4年ぶりの大雪の影響で都心はパニックとなりましたが実際に積もった雪は23センチ程度です。北海道では当たり前の日常が首都圏で異常な大雪との評価に変わるのは除雪体制や冬タイヤの準備等の備えの違いです。

まさに「備えあれば憂いなし」で、コインチェック社の事件もセキュリィに対する備え不足が最大の原因のようですが・・私たちも日常に潜む危機管理不足に気を付けなければなりません。

忙しい時ほどトラブルに対する注意が必要で、最大限の備えが必要です。

「商業道徳」

またまた1月の話題ですが・・。

成人式当日に営業を放り投げて突然雲隠れした着物レンタル・販売会社「はれのひ」の篠崎洋一郎社長(55)の会見に被害者のみならず日本中に怒りが広がっています。

篠崎社長は26日の会見で、「私も幹部もギリギリまで業者にあたり、本当に精一杯やった」「隠れるつもりはなかった」「毎日とても寝れるような状態にない」などと自分がまるで被害者であるかのような発言に終始しました。

女性にとって成人式の晴れ着は一生の思い出です。当日に営業停止をするのではなく、被害を最小限に食い止めるために他の対応が可能な時期に会見するなど出来る事はあったはずです。

経営者として、商売人として最低な事業の終わり方と感じさせられる事件です。

戦場からの撤退時期を見極めるのも経営者としての責任だと改めて感じさせられましが・・私たちも最悪の事態を招かないためにも黒字決算が最低条件だと認識しましょう。

「トラブル続発」

今話題の仮想通貨、一生に一度の成人式での被害と大きな事件が続発する2018年のスタートですが・・先月号で「値上げの」一年になるとお話ししましたが・・「トラブル」の一年にならないよう気を付けたいものです。

昨年も旅行代理店テルミクラブの突然の破たんで多くの被害者が生まれました。ある日突然、自分自身が事件に巻き込まれないためには「安いから・・」、「流行っているから・・」などの風に流され「自分は大丈夫」という安易な考えを持たない事です。

話は変わって・・最近は人手不足で倒産する企業が出てきそうなぐらい労働力不足は深刻な問題です。一方、せっかく雇った社員に突然訴えられたという話も耳にします。会社に問題がある、社員に問題がある等々、様々なケースがあると思いますが法律上は社員が有利となっています。

訴えられて困惑する経営者の話を伺うと小さな問題が経営者と従業員の確執を生み出し・・結局は人間関係のトラブルが原因のようです。

最近「海賊と呼ばれた男」という本を読みました。出光石油の創業者出光佐三さんの歴史を小説にまとめたものです。

出光さんは社員を大切に思い、社員は社長のために頑張るという実話ですが実際にはあり得ないと一刀両断する人もいるかも知れません。

しかし、実際にそういった考えで経営し日本有数の石油会社に成長したと言う現実があります。今度、事務所で職員全員で映画を見て見たいと思いました。