68号 「儲け」について考える

完全版はこちら → 第68号 27年10月号

「青いキリン」

ある新聞のコラムで有名なジョークを紹介していました・・

大富豪が「もしも青いキリンを見せてくれたら莫大な賞金を出そう」。と言いました。それを聞いたそれぞれの国の反応は如何に?

イギリス人はそんな生物がいるかどうか議論を始め、ドイツ人は図書館へ出かけて文献を調べ、アメリカ人は軍を世界中に派遣して探し回った。

一方、日本人は品種改良の研究に乗り出し・・・中国人は青いペンキを買いに出かけた。

・・ このジョークが一夜で違和感に変わった「ドイツのものづくりは堅実性や信用を旨とするはずなのだが、独自動車大手フォルクスワーゲンは排ガス規制を不正に逃れ、青いペンキに相当するソフトウエアーを仕込んだらしい。その結果、環境先進国という看板は大きく損なわれるだろう」と新聞のコラムは指摘しています。

「低燃費のクリーンディーゼル」と宣伝し世界中で売上を伸ばすが、その実態は基準値の40倍もの有害物質をばら撒く疑惑の車を販売して儲ける・・いかがなものでしょうか。

 「偽装」問題

数年ごとに偽装というキーワードでニュースが報じられます。自動車業界に目を向けるとフォルクスワーゲンのほかに現代自動車の「燃費」偽装、国内では今年3月に発覚した東洋ゴムの「免震ゴム偽装」、2年ほど前は「食材・産地偽装」が話題となり、数年前の「耐震偽装」では念願のマイホームを手に入れた人を不安にさせました。世界中が注目しているシリア難民も3割は国籍を偽装していると言われています。なぜ人は真実を隠し「偽装」するのでしょうか・・。

 

「儲かる」仕組み?

たとえば「消費期限」の偽装を考えて見ましょう。廃棄すべき商品が売れれば会社はとても儲かります。「食材・産地偽装」では安く仕入れた商品が高値で売れ儲かります。「耐震」偽装では鉄骨などの材料が少なく済み儲かります。

つまり適正以上にもっと「儲けたい」「得したい」との思い、つまり「欲」が原因の一つと考えられます。

 

「誰のために」にビジネスをするか

コンプライアンスが求められる昨今なのに、優秀な経営者や社員がいる企業においてなぜリスクを抱える「偽装」が行われるのだろうか・・との疑問が生じます。

東芝の「決算」偽装、東洋ゴムの「品質」偽装でも「企業風土」に問題があるとの意見があります。今回のフォルクスワーゲンの偽装も価格競争、低燃費競争に勝ち残るため原価削減のため、つまり安く車を作り高く売って儲けようと考えた事が原因であるとの指摘がある一方、経営陣の主導権争いからの業績拡大の為だとのニュースもあります。

自己保身、競争に勝つ、都合の悪い事は隠したいと言った人の感情が悪い風土を作りあげたのでしょう。いずれにしても「消費者」の顔を見ていないのは間違いないでしょう。

 

「儲けは必要」

先ほどから「儲けの」悪い点を書いていますが・・儲けは悪いと勘違いしないで下さい。悪い儲け方が問題なのであって適正に儲ける事は必要です。なぜなら、会社を維持し将来のために利益(儲け)は不可欠だからです。

企業が存続するために「必要な儲け」と「欲からくる儲け」は全然違います。適正な方法でお客様によろこんで頂きながら儲ける事が理想です!