69号 マイナンバーがいよい・・

完全版はこちら → 第69号 27年11月号

マーナンバー制度がスタートしますが手続きの煩雑さや情報漏えいのペナルティーのみが強調され企業にとっては本当に迷惑な事だとお思いの方も多いのではないでしょうか・・。そこで今月は、そもそも、なぜマーナンバーが必要なのかについて考えて見ましょう。

 

「本人が特定される」

これまで役所では氏名や住所、生年月日などの情報を使って事務手続きをしていました。ところが結婚で姓が変わったり、引越しで住所が変わったりすると・・情報が不確実なものになって過去のデータを有効に活用出来ません。

一方、役所の不備を突くように養子縁組や引越し等により新たな戸籍を入手し借金の踏み倒し、生活保護費の不正受給、犯罪歴の消去が実際に行われています。

また、本人が意図しない所で問題が起こる事もあります。税金滞納者と名前と生年月日が偶然に同じで別人なのに財産が差し押さえられた事例が埼玉県や千葉県、大阪市でここ一年間に起こっています。話題の「五郎丸」さんは別として佐藤や田中、鈴木といったよくある名字・名前の組み合わせだと勘違いも起こりやすいでしょうがマイナンバーの導入によりこれらの問題が解決されます。しかも、本来必要のない生活保護費・医療費等の税金からの支出が減るとともに課税強化による税収増が見込まれます。国にとっては良き事ばかりです。

 

「国民を管理?」

世論調査によるとマイナンバー導入により「国による個人情報の一元管理が行われるのでは?」との不安を感じている人が多い事が分りました。

「税」、「年金」、「健康」、「職歴」、「財産」等々の情報を国が管理するのでこれらの情報を基に国民を管理するのではないかとの不安です。

しかし、そのような事はありません。マーナンバー制度の導入に際し、国が個人の情報の一元管理が出来ないようにシステムが設計されているようです。また、各省庁を監視したり、個人のプライバシーを守るために強い権限を持った「特定個人情報保護委員会」を創設したり、自分の情報がどのように役所が活用したかが分る個人専用の「マイポータブル」で利用状況を自分自身で確認できます。将来的にはマイポータブルを利用した納税手続き、健康保険証、キャッシュカードへの利用等利便性の向上が検討されています。

 

「マイナンバーが悪用される?」

マイナンバー先進国のアメリカや韓国では口頭で伝えられた番号を本人確認しないで使用されるので犯罪に利用されているようです。

一方、我が国ではマイナンバー提供の際、番号に加え“厳格”な本人確認を使用者(企業)に課し・・情報漏えいに関する罰則規定も重くなっています。しかし、悪用されない仕組みの裏でマイナンバーを取り扱わなければならない企業の経済的・心理的負担増という弊害が予想されます。

 

「制度はスタート」

不平不満を言っても制度は1月からスタートします。源泉徴収するための「扶養控除等の申告書」、新たに人を雇用した場合には「雇用保険の資格取得届」にマイナンバーを記入しなければなりません。マイナンバーを取り扱う担当者の限定、カギ付きロッカー(金庫)の準備やパソコンのセキュリティ対策等の準備を進めなければなりません。

企業にとっては煩わしい事ばかりですが・・生活保護費の削減、税収増、犯罪予防など結局は国民みんなのためだと思って制度の普及に協力するしかないですね・・。