トヨタ生産方式:2 「動く」のではなく「働く」人や機械を増やす

「動」くに「人」の知恵を付け加えると「働」くになります。トヨタ自動車の機械は「自動」ではなく「自働」で動きます。数年かけて「カイゼン」や「トヨタ生産方式」で世界一の自動車メーカーとなったトヨタ自動車の秘密を研究したいと思います。中小企業の経営に役立つヒントをご紹介出来れば幸いです(札幌の税理士:佐藤寿志)。

第2回は「自働化」について考えて見ましょう。

トヨタ自動車のもう一つの柱は「自働化」です。「自動」ではなくニンベンのついた「自働化」です。スイッチを押すと「自動」で動く機械がほとんどです。最近の機械は高性能なので、ちょっとした異常で大量の不良製品が出来上がります。

ところが、トヨタの機械は「人」の知恵が加わっていますので、異常があった場合、機械が「自働」で停止します。機械メーカーから納入された状態では、まだまだ未完成です。トヨタでは自社に合ったように何でも改善し、異常があった場合に人に代わって機械を「自働」で停止させます。

古来、日本には「臭いものにフタをする」という諺があります。材料や機械に内在する問題を人は繕ってなんとか誤魔化そうとします。そうすると、いつまでたっても根本的な改善が出来ません。異常をその根本から解決するためには、物事の本質・原因を追記する事が大切です。そのためには、異常があった場合、機械が「自働」で停止させる必要があります。停止した原因を完全に究明されるまで徹底的に改善を検討します。

その一方で、人間の能力を十分に引出して、働き甲斐を高め、設備や機械をうまく使いこなして、徹底的にムダの排除する事がトヨタ生産方式なのです。

どうしたらムダが排除できるか・・それは、「動」く機械、人ではなく、「働」く機械・人をを多くする事です。

第2回の成果は「動」くのではなく、「働」く機械・人を増やす事です。

第3回は「なぜを5回繰り返す」です。