81号 「非・常識(脱、常識)」

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【今月の事務所通信】

  「非常識」

今、最も世界で注目を集めているとも言える、フィリピンのドゥテルテ大統領が10月25日、国賓として来日し安倍首相や外相などと会談しました。

到着後の在日フィリピン人向けの懇談会では日本全国から集まった約1400人の支持者から名前のコールがおこるほどの熱狂ぶりで、フィリピン国内での支持率90%の人気ぶりが垣間見られました。

政府関係者や日本国民の心配を余所に「常識的」な行動で無事日程を消化、フィリピンに帰国しました。ところが一転、帰国後の取材で「ここに来る途中、『ののしることをやめなければ、上空で飛行機を落とす』と言う声を聞いた。だからやめると約束した」「神への約束は、国民への約束だ」などと、お得意の不可思議な発言が飛び出しました。

計算された行動なのか、本当に「非常識」なのか、これからも世界から注目を集めるの間違いなさそうです・・。

 

 「非・常識(脱、常識)」は必要

ドゥテルテ大統領のみならず「非常識」な行動は廻りを不快にし、場合によっては迷惑をかける場合があるので肯定できません。しかし「非・常識(脱、常識)」の発想は必要だと私は考えます。

たとえば北海道のお米を考えて見ます。昔は「安いが不味い」との常識でしたが、品種改良や温暖化などの影響で現在「美味しい」と評価が逆転しました。そう考えると今の「常識」に疑問に持つ「非・常識」の発想は大切です。

 

「常識」と思っている事が「非常識」の場合がある

中国メディアに「1万メートルの上空で中国国民の民度を見て、悲しくなる」との記事が掲載されました。

要約すると中国人CAである彼女は乗務員どうしで日本が話題になると「日本人は特に礼儀正しく、日本路線は秩序が保たれ、クレームを言う人がいない。日本は街が美しく、人も親切で、発展している」と、まるで「神の国」であるかのように賞賛されているとの事。

実際、CAもほとんどは日本便への搭乗を希望がするが中国便は嫌がる。乗務員の会話で日本人CAがてれ笑いしているのを「内心、いつも嫉妬する」との内容でした。
この会話から、日本人客の行動が世界的には「常識」で中国人客の「常識」が一般的には「非常識」だという現状が読み取れます。

教訓としては私たちが毎日続けている習慣、今風で言うと「ルーティーン」が本当に正しいとは限りません。もしかするとお客様を不快にしたり、横柄な態度をとっている事に気づいていないのかも知れません。そう考えると現状を否定する「非・常識(脱、常識)」の発想が業績低迷を防ぐ防波堤になるのかもしれません。

 

「付加価値を高めるためには・・」

よく言われる社員の不満に、給料が安い、労働時間が長いなどがあります。会社は仕事に見合った給料を払っている(会社の常識)、従業員は働きの割には給料が安い(従業員の常識)とそれぞれの尺度で考えます。

このような「常識」の違いで会社内に不協和生じると企業の発展・成長に悪い影響が出ます。これらを防ぐために付加価値を高め、待遇を改善する方法があります。

では、どうしたら付加価値が高まるでしょうか?
どんなに有能で素晴らしい経営者であっても一人では限界があります。たとえば、トヨタの社長一人の力でハイブリット車を開発できたのでしょうか? 当然、それは無理な話で、新しい発想(「非・常識(脱、常識)」で新しい技術を開発する事を組織のメンバーに求めたのです。

毎度のことで申し訳ありませんが・・強い「組織」を作り、新しい発想を一人一人で考え「付加価値を高める」しか生き残る方法はありません。主役は組織のメンバー(社員)です。

今月は組織のメンバー全員で「常識」に疑問を抱く月間としては如何でしょうか?